仙人峠。岩手県の花巻市から遠野市を経由し三陸の釜石市に向かう途中に仙人峠があります。

話は私の子供の頃(20年前)に遡るのですが、家族旅行で初めて三陸を訪れた時にこの仙人峠を越えました。ドライブ大好きな父は地図を見て「仙人峠」という名前がずっと気にかかっていたようで、仙人が出るのかな、険しそうな道だな、等と楽しそうに言っていたので、私も助手席に座りながら子供ながらに仙人峠越えを楽しみにしていました。

仙人峠まで○○kmという表示が出てきてわくわくしてきました。その時に父が車のガソリンの減っている事に気が付きました。その内に給油出来るだろうというのは甘い考えで、遂に本格的な山道に入ってしまい、楽しいはずのドライブが不安と焦りの峠越えになってしまいました。

山道は思いのほか険しく、あろうことか霧が立ち込めて、本当に仙人が出てくるのではないかという気持ちになりました。ガソリンが無いのにアクセルを踏み込まなければならないので、家族全員意味も無いのに体に力が入ってしまい、母は体を浮かせるようなしぐさをしていました。それでもなんとか峠を越えました。

下りに入り父は一人助かったぁと言っていましたが、ガソリンスタンドが一向に姿を現さないので車中はピリピリムードでした。ようやく山道を下りきったところのガソリンスタンドで給油出来ました。笑顔の可愛いおばあちゃんが給油をしてくれて「間に合ってよかったなぁい!」と言ってくれました。相当な量のガソリンが給油されたと思われます。お気楽な父は、こんなにガソリンを入ってあのおばあちゃんも運が良い、などとふざけたことを言っていました。

20年が経過し、父と同様ドライブ大好きな私は結婚をして妻の田舎の三陸へ度々帰るようになりました。今では仙人峠トンネルが開通しあの悪夢の峠越えをしなくて済むようになりました。トンネルを通過する度にいつも昔の思い出話をしてしまいます。ちなみに私はあの一件から学んで、早めに給油をするようになりました。

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